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速報 第31回日本保育協会九州地区保育所長・主任保育士大会 ( 9月 3日)

 

大会第2日目、昨日と会場は前日に続きホテル日航にて午前9時より開始。

まず基調講演として厚生労働省雇用均等児童家庭局保育課・今里譲課長が「保育をめぐる国の動向と課題」と題して保育行政の現状を解説した。

資料に沿っての説明であったが、特に今回次の点について確認があった。

(1)地方分権と最低基準について

基本的に保育に関することがらを定めるのは地方自治体ということになったが、最低基準については、全てが地方裁量ということではなく国が定めたものに準拠するものがある。職員定数、面積その他、いわゆるナショナルミニマムという部分については国の基準に合わせることになる。その他のものついては国の基準を参考にするという考え方。

地方分権の流れの中で、保育の最低基準は地方が条例を定めこれに合わせていくということだが、上のような基礎的な部分については国の基準に逆らうことができないかたちになる。一方、屋内遊技場の面積などについては国の基準を参考にして地方で決定して問題ないという部分もある。この二本立てとなる。

待機児童解消までの一次的な措置として東京等の一部の地域について、一次的な措置として面積基準を地方裁量にまかせることを認めていきたいと考えている。しかし、地域の特定はまだできていない。

これらは秋の臨時国会で審議されることになる。来年の4月からこのしくみに変わるスケジューリングになる予定である。ただし地方条例の整備ができない場合もあるので、1年間の猶予を見てH24の3月いっぱいまでは国の基準を暫定的に使用する考えである。

(2)次世代育成支援:

  1. 利用者保育のしくみ

 

「子ども子育て新システム」について「利用者本位のしくみ」をつくると明示されてあるが、ここは「子どもの健やかな育ちを保障するとういうのが基礎となる」。 保護者や地域の実情にかかわらず「子どもの健やかな育ちの保障」を基礎とすることを確認しておきたい・

2)多様な利用者ニーズに対応:
過疎地や待機児童が多い地域については、保育が必要とされている子どもたちに対して現行の制度では保育が提供できない状況がある。例えば、現行の仕組では定員20以下の認可保育所は成り立たない。このままだと、過疎地で保育を必要とする子どもが20人以下であるなら公的付与が不可能となる。ここは国としては保育が受ける子どもの権利に対応していないという状況になる。待機児童が多数存在するエリアにおいても対局としておなじような現状が生じている。ここを地域に関わらず必要な支援がどこでも受けられると言う状況にする必要がある。 

現行は8時間の保育であるのでパートタイム労働者は入手の優先度が低くなるが、保育は必要であるが、求職者についても受け皿を用意する必要がある。このため短時間保育、小規模保育所、保育ママの配置などの導入が検討されている。

3)財源
財源については、少子化が進んだ場合、すべての世代、すべての立場の人が費用を分担していく、社会全体で費用分担するかたちとなる。制度設計の中では「子ども子育て勘定」という特別項目を作って、子ども関係だけを使途として地方へ支弁していくしくみを作っていく。 

4)幼保一体化
平成25年のスタートを目指しているが時間をかけていく。将来的には子ども園というかたちの中で保育園・幼稚園の機能を併存するものを目指す。円滑な移行を目指す。指針は、ひとつのものに統合する。家庭における子育てにも活用できるようしくみをつくる。資格も統合。

以上述べたようなことを来年23年の法案で提出する予定である。



☆ 中央情勢報告:

当初、日保協の荻原常務理事が中央情勢報告を行う予定であったが、急遽、内閣府大臣政務官・泉健太氏が来熊することになり、永野大会会長をまじえ鼎談方式で中央情勢を聞くことになった。

         


永野(以下N):子ども子育て新システムの中心的役割を果たすのが泉政務官である。この中に直接契約、直接補助があるが、これは本当に必要なのか聞きたい。通常、このような説明について政治家は役人を派遣するが泉政務官は自ら出て来られる。ここには敬意を表するがシステムの中味はまた別の問題である。

○新システムについて:

泉政務官(写真:以下I):内閣府大臣政務官として厚生労働省、文部科学省と毎日協議中。システムの中味を作っている状況である。政務官になってから園の見学などした。日々勉強中です。

なぜ新システムなのか? 保育園・幼稚園に通えている親子はしあわせだと思う。保育園は保育にかける、福祉ということで成り立っていたが、今は逆転現象を感じる。家庭・地域の力落ちたからだと思う。幼保一体化は世界的な流れである。しかし、日本の教育の位置付けでは、学校教育法は小学校からであり、それより低年齢の乳児の教育的位置付けはない。現在の保育の中の養護に対するもうひとつの柱である「教育」の明確な位置付けはない。つまり0~5歳までの年齢の保育・教育の定義がない状況であり、ここは問い直すべき。

地域においては、核家族、少子化の状況、家庭が「極小社会」になっている。 親の失職、虐待などの問題も多くなり、これで果たして良い環境と言えるのか。また就労形態の変化、母親の就労形態の変化によって子どもの保育環境が変化するという事実もあるし、父親のリストラなどで退園、転園などがある場合も多い。

子どもにとって安定的、継続的な保育状況をいかに構築するかが大きな課題。現状がまずいから新システムに移行する訳ではない。あらたな時代の幼児教育・保育をすべての子どもに提供できるようにする。地域によって別々の地域に通うという状況もある。 「地域保育」として幼児教育・保育をすべての地域の子どもに提供したい。

現行の保育園については、まったく問題を感じていない。問題は公共の支援にアクセスできない状況の子どもに対して国として何ができるか検討すべき局面にきていると感じる。これからも是非話合いを継続したいとの幹部からの話があった。(話を続けていきたい)。

○ 選択肢はどちらか = 全国一律 か 特区か?

皆さんに考えてほしいことがある。
全国の子どもたちに一律の福祉が受けられるのが大事という考えもあるだろう、一方、大きく環境がエリアによって違うのは事実。この状況で全国一律の制度がよいのか。 あるいは都市部では待機児童の問題もあり、現実問題に対応していく現実的な工夫を(特定の地域のみを対象として)実行していくよう検討すべきと考えるのか。ふたつの大きな方向性の中から選択をしなくてはならない状況があると思う。ここを皆さんに考えて欲しい。

東京・横浜の保育環境を無視してはいけないと思うし、他方国全体の政策をどうするのか苦渋の選択を強いられている、悩みを抱えている。首都圏は独自に認証制度や保育ママ制度を作って対応している状況がある。ここをどう考えるか。

○新システムのポイントについては:
全国的に最適基準(ナショナルミニマム)を維持する。面積、保育者数などは現行レベルからスタートする。
方向性としては① 幼保一元化 ②多様な保育サービス ③地域主権ということになる。
ナショナルミニマムの確保によって一定の質を確保した後、どこに力をいれて実施するかは地域に譲る。地域のニーズに基づいて実行する。「子ども勘定」をつくって一般財源化とは違う「特別会計枠」として地方自治体へ流れるしくみを作る。地方に対しても「子ども勘定」的項目を作らせ他への流用をブロックする。

○幼保一元化については:
現在の法人はそのまま、名称も保育園としてそのままにする。全国全てではないが株式やNPOが参入してくるところは少ない。首都圏・都市部については、エリア特有の理由で法人認可ができないケースがあったため供給・需要のニーズを認可不可という状況を超えるために指定性を検討している。株式会社については税制優遇を考えない。 参入は問題ないが撤退については一定期間必ず継続することを確約とする。メイン業務がダウンしても運営が確保されるような取り決め作っていきたい。しかし一定の要件を満たしていれば、参入を認める考え。保育業界は儲けるようなものではないが、しかしではあってもさらに参入してようとしている企業もある。

スケジュールとしては、平成23年からスタートだが決して義務化ではない。子ども園は制度として変更するだけで、現行の法人形態を意地、名称の変更も義務化しない。

○ 地域の保育
地域の環境・地域保育、できるだけ地域の子どもを受け入れる状況にしたい。幼稚園については、順次地域型に移行して乳児を受け入れられるようしていく。

○契約について
公的契約が必要と言われるが、基本的には行政が全ての保育をまかなえない状況。福祉が民間を借りながら実施していかないと国として人に満足のいくボリュームのサービスが行えない。このため認可園だけでなく他の参入者も含めて(受け皿を増やし)、保育が必要とする全ての子どものニーズに応えていく。全体への供給を果たしていく。(新しい契約)については「応諾義務」を全ての園に与える方向である。園の定員に余裕がある場合は応諾義務があり(入所を希望する全ての子どもを受け入れるよう)にする方向。

N:地方の時代はよくわかる。問題は福祉が守れるかである。多く主体の参入は地域特有の認可のブロックがあるからと言われるが実際にどのくらいのケースがあるのか知りたい。

萩原常務(以下H): 幼保と制度改革は切り離して考える必要があると思う。認可保育園を基礎とした環境整備、子ども手当とのバランスを見たインフラ整備が必要。子どもの発達の課題も踏まえて検討すべきだと思う。

N:保言の供給が認可では無理ということだった。実際介護などは制度を改革を行った後、在宅介護は増えたが施設は減っている。指定制度を導入することで保育の質が悪くなるのではないかという危惧がある。問題になるのは保育の質=保育士者の人権費・処遇である。介護ではここが問題となっている。同じ制度(介護保険モデル)をなぜ保育にもってくる必要があるのか。東京でうまくいかないから作る施策をどうして地方に持ってくる必要があるのか問いたい。

 

I:そういう声があればこそ、東京・横浜は「特例・特区」適用で良いという要求をあげてほしい。 
産業化、企業化という見地から普通のビジネス経営者であれば、(保育に参入したとして)利益があがらないことは分かると思う。保育料の自由設定は考えていない。地域の保育をになってもらうので一定の価格で(幅は多少あるにせよ)公定価格を想定している。幼稚園については、落ち着くところに落ち着いてくると思う。幼稚園は恵まれている優秀な家庭が行くという時代は終わっている。むしろ保育園の方が恵まれていると思う。(新システムは)幼稚の子どもをある意味救うという意味合いもある。

重ねて言うが、新システムは待機児童対策ではない。多様な保育というのも待機児童に資するひとつである。幼保育一体化は子どもの育ちをどうとらえるかを共通して進めていこうという流れの実現である。課題はどのような制度設計をするといいうことである。

N:待機児童対策は、子ども手当の一部分をつかえば解消する。なぜそうしないのか?これは制度では無く政策の問題であると思うが、

I:機会的計算ではそうなるが、地方特有の状況もある。お金があればできるというのが都市部の事情であることを理解願いたい。

N:直接補助、指定制度ついて日保協はどう考えるか?

H:指定では無く認可が好ましいと思う。託児であれば指定でOKだが、保育ならば認可である。

N:保育の産業化には反対。保育の産業化は公費削減しながら提供規模を拡大する経費削減。保育の産業化を総理や官房長官が言うと大きな問題なると思うので言わないと思う。しかし問題は保育の質である。

I: これからまた意見交換をしたいし、現場の意見も聞きたい。国はそれぞれの省庁の立場で発言をする。新システムにすべての子どもについて質のよい保育を提供するというのが一番。園は親のためのものではなく、子どもたちのものであると言う視点ですすめていきたい。

もう一度みなさんに考えていただきたい。受給調整についてだが都市部については(NPO、企業の)参入はいいのか。現在落ち着いている地域に指定制度を導入すれば、現行の園に影響が考えられると思うが、どのような影響があるかみなさんにご検討していただいてご教示いただきたい。子どもの立場を大事にして少しつずつ少しずつ制度改革を進めていきたい。

N:常に望んでいるのは保育の質であり。現場の意見をたくさん聞いてほしいことにつきる。ありがとうございました。

(了)

                                (記録責任:広報調査委員長 福田俊彦)
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