速報 第31回日本保育協会九州地区保育所長・主任保育士大会 ( 9月 2日)
平成22年9月2日、日保協九州地区保育所所長・主任保育士研究大会が熊本市・ホテル日航にて開催された。九州各地より約640名が参加。
12:30、尚絅高校マンドリンクラブの演奏でオープニングがスタート。
大会副実行委員長・千原一朗が開会を宣言。保育関係物故者への黙とうを捧げた後、日保協九州地区連合会大会会長・永野繁登氏があいさつ。(写真:千原副実行委員長)
「大勢の皆さんにご参集いただいて実にうれしい。来賓の皆さまにも感謝。6月、政府はシステムをリリース。保育改悪である。今こそ福祉とは何か、保育とは何か考えなくてはならない。子どもたちが商品、子育てが利益の対象とされて良いのか? 親の所得によって、子どもの処遇に格差がでて良いのか? 住む地域によって保育の格差が出ていいのか? 貧しい人たちが福祉の制度から外されることがあっていいのか?
児童福祉制度に基づく現行制度は、①公制度 ②最低基準 ③応能負担という基礎的要素が保障されている。新システムではこれらの要素が後退している。保育の産業化であるからだ」。(写真:永野会長)
「福祉が後退すると保育の質も後退する。このうごきの中で、子育てにとって必要なのは安心感・安定である。ここが後退している。昭和23年にできた現行制度は、国民が困窮している時に日本が子どもを未来に託したものである。この日本の誇りはどこに行ったのか? 九州の保育3団体は、一致して現行制度の拡充を要求して要望書を提出した。福祉の理念を訴えていく必要がある。今年は多く行動する必要がある。みなさんのご協力をお願いしたい。新たな保育システムを進めているのは総務省の泉氏である。明日は本件について説明があるとことである。従って明日のプログラムの変更となり、萩原常務と泉政務官の鼎談になる。保育制度について意見交換したい。熊本県保育協会にはご迷惑をかけたが対応していただき感謝している」。
続いて熊本県保育協会・塚本理事長、続いて来賓のよりあいさつを頂いた。保育に関わりの深い国会議員諸氏も本日多数臨席いただいた。自民党全国保育関係議員連盟会長 野田毅氏が代表あいさつ。
(写真:塚本理事長)
「昨年より本会の会長を拝命している。本日は金子、松村、木村氏にも参加していただいている。民主党の代表選挙が行われているが、どちらが勝っても変わらないと思う。非常に空しいことだ。彼らのマニュフェストは実現できない公約である。政治家の言葉が虚しくなっている。問題は実行できるかということだ。」
「急速な少子化、子育ての手当について新システムが提案されているが、やはり上から目線である。
子どもたちと直接触れながら、育ててきたみなさんの現場の生の課題、要求などを集約して新しいシステムになればベスト。しかし、お金がないから新システムを断固するのかという疑いが払拭できない。安易に踊らされてはいかない。新しい公共という言葉は世界的に定義されていない。新しい公共とは何かという定義、しくみの中身を明示してほしい」。
「現場重視で、みなさんの生の声の集大成は是非必要、そろばん勘定では良くない。昔の自民党も人間をそろばん勘定してきた、同じような過ちをしてはならない。これから一番の国づくりの中で、家庭、保育所において、人間としてのかかわり合いがスタートしていく訳だから、みなさんにあらためて敬意をしめし、みなさんにお礼を言いたい。自民党も十分反省して、正面から正々堂々、この国の将来に向けてがんばっているところである。次に向かって進んでいる。会長として、自民党挙げてみなさんの気持に対応できるようがんばっていく」。最後に永年貢献のあったみなさんへの感謝状を贈呈。本村副理事長が開会式を閉じた。
2時より「日本の社会と保育の未来」と題し山梨大学 加藤繁美教授(写真)が講義。講義内容のまとめは以下の通り(内容詳細については協会ニュース次号でお伝えする予定です)。
集団保育の困難
○5歳児が育ちきらない
○2歳児クラスが落ち着かない
どうしてそうなっているのか。原因をたどっていくと、「2歳のクラスが落ち着かない。」にたどり着く。事例を挙げると、クラスの入所児童の増加。1クラス二十数名の二歳児クラス。保育者が4名いても落ち着いたクラスとすることは難しい。クラスの中に静寂がない。定員の120%のしわ寄せが1~2歳児クラスの人員の増加につながっている。また家庭でも2歳児と向き合えない親が増えている。今保育を立て直しを図るには、2歳児の保育を見直すことである。
自我(自己主張)→受け止めて 親・保育者、切り返す→第二の自我(社会的知性)
このことを二歳児に保障することにより、自己内対話能力の獲得(4歳半以降)し、その能力は一生ものである。
人間として人間らしく生きることは、自分のやりたいこととやらなければいけないことを調和させることであり、そうすることで人として満足の行く人生を送ることが出来る
のである。
現代保育実践の課題
○子どもたちの叫び→喜びと希望を希求する声
○カナリヤの叫びを社会はどう聞き取るのか
○大人の「あたりまえ」感の問い直し
対話的保育カリキュラムが子どもを救う
対話的保育カリキュラムが社会を変える
このことが保障されるような保育制度でなければならない。(制度改革は)もっとリアルに子どもを語ってほしい。
欠如する4つの想像力と具体策
○「喜び」と「希望」をつむぐ保育実践(集団保育)と「権利主体」として生きる乳幼児の姿に対する想像力と実践構築の課題意識
○「子どもの最善の利益」を保障する保育環境・保育条件に対する想像力と条件整
備義務
○保育者の専門性と待遇に対する想像力・法的保障
○豊かな「ワーク・ライフバランス」への想像力と、それを実現するための法的規制
制度改革が迷走する状況の中、「対話不全社会の中で、対話的保育が子どもを救う、対話的保育が社会を変える。」との言葉が印象に残る講演でした。

午後6時より、同ホテルにて交流開が開催された。約270名が参加、保育に関わる国会議員のみなさんも多数の臨席を頂いた。また九州各県からも関係者が多数参加。
オープニングに山鹿市城北高校ダンス部が「よへほ節」、「おてもやん」、「田原坂」など熊本ゆかりの踊りを披露、場内を沸かせた。
主催者、来賓の松村参議院議員のあいさつに続き、日本保育協会・萩原常務理事が乾杯の音頭を取り、九州各地からの参加者は杯を交わしながら懇親を深めた。
(文責:広報調査委員長 福田)

